タイ(プーケット バンコク)旅行記 おまけ ・・・急性胃腸炎の巻
 

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  1996年4月30日(火)・・・帰国便内での苦しみ   
  楽しかった旅行の思い出が、病によって一掃されてしまった。
 
バンコク・ドンムアン空港 11時発 TG(タイ国際航空)640便は、747型機で、広くて快適で、・・・と愉快に旅を終わるはずだったのだが・・・。

 搭乗待ちの時に急に襲われた貧血状態は、離陸後、悪化の一途。機内で「東京あられ」が配布されたのだが、もうそのニオイで吐き気がして全く食べられなくなっていた。機内食のメインディッシュには、エビにホワイトソースがかかったものが出てきたような気がする。普段なら大好物なんだが、この時は、「そんなもん見たくもない。私の視界から それを早く取り除いてくれー!」という気分。隣の席で友人が元気にエビをモリモリ食べている姿をみて、気を失いそうになった。

 結局、何も食べられなかった。物を食べたくないなどという感覚は生まれて初めてではなかったか?その後も延々苦しみは続いた。バンコク→東京のフライト時間は7時間ぐらい。この 苦しみの時間が永遠に続くんじゃないかと思うぐらい、長かった。あー長かったあ。

 そうだ、たまたまこの時は、通路側の席で、しかもトイレの近くだったというのは不幸中の幸いであった。あの、タイ航空機内のトイレには一体何回行ったことか。吐くわ下すわで死ぬかと思った。やたらにトイレに行く私の不審な行動を友人達が気がついているとしたら、そろそろ彼女達にも自分が具合が悪いということを伝えなければならないか?いや、もうとっくに分かっちゃっているか?とにかく、
ただの貧血ではないことは既に明白。いったいなんなんだ?私は、どうしたんだ?

 日本時間18時20分(タイ時間16時20分)に成田空港に着陸。機を降りる時には完全な脱水状態の、脳貧血状態。降機待ちで機内の通路に行列ができて、みんなが当然立って並んでいるところを、私は立っていられなくて、通路に座り込んでいた(邪魔だっつーの)。友人達は、心配して声をかけてくれるのだが、それに反応するために声を出すのが辛くて何も答えられず、申し訳なかった。
 検疫所を通るとき、一瞬迷ったが、nothingの申告をして通過。(汚染地域からの帰国じゃないし・・・)
 入国審査も立って待っているのが辛くて、「早くしてくれー」という気分であった。機内に預けた荷物の受取場では、友人が私の分も取ってくれるというので、椅子に座り込んで待っていた。重ね重ね申し訳ない。

 この日は成田に留まることを決めた。なぜなら各種交通機関を乗り継いで、3時間近くかけて自宅に帰る気力も体力も既になくなっていたから。

 楽しい旅にケチをつけてしまった。

 
 
 
  1996年5月1日(水)・・・急性胃腸炎   
   自宅に戻ったのは、昼前。すぐに近所の総合病院へ行った。内科で問診の後、尿検査、血液検査など。診断は、急性胃腸炎。原因は不明。と言っても、まあ旅行中の何かが原因であることは間違いないのだが、「即刻入院・隔離だ!」なんて騒ぎにはならなくて良かった。
 検査の後、200cc点滴。点滴なんて初めてだったので、不安になった。単なる栄養補給なのだが。
 夕方、帰宅して職場に電話する。予め取っていた休暇はこの日までだったのだが、とてもじゃないけど出勤なんてできないので、もう1日休みを取得。そうすれば3日からはゴールデンウイークだから、ゆっくり休もう・・・。
 
 
 
  1996年5月2日(木)・・・休暇おまけ  
   9時半に、昨日と同じ病院へ。11時25分から12時25分までの間、点滴。  
 
 
 

■4人中、2人とは?

 
 

 5月3日から6日までは祝日や振替休日で職場は休み。明けて7日(水)も休んで病院で点滴を受けた。これで結局12連休になってしまってた。

 休みの間に、一緒に行った友人の1人に、お詫びがてら電話してみた。いや、電話しようとした時にちょうど向こうからかけてきてくれたんだったかな?とにかく、大変だったけれども一応回復してきてはいる 、と自分の様子を伝えた。すると、なんと彼女の方も
同じ症状に見舞われたと言う。彼女の場合は帰宅後に具合が悪くなったらしいので、私の発病よりも12時間ぐらい遅いが、症状が全く同じである。一緒にいた4人のうち、私と彼女以外の2人は特に異常もなく元気だという。発病した2人に共通していたのは、同じ部屋だったこと、2人だけがプーケットで海水浴をしたこと、それから・・・? 
 旅行中に書いていた日記を読み返してみると、そこかしこに、伏線らしい記述があるのだが・・・。

 
 

■プレジオモナス・シゲロイデス

 
   同じ症状を呈した彼女は、病院(私が行ったところとは別のところ)で、プレジオモナス ・シゲロイデスという細菌感染の疑いがあると言われたとのこと。なんだその、プレ・・・なんとかって?
 とすると、私の胃腸炎の原因もこの細菌である可能性が99%。この細菌の名前、回復後に何人かの人に説明しているうちにすっかり覚えてしまった。
 
 

■保険金の請求

 
   海外旅行に行くときには必ずかける保険。今回その保険が役にたってしまった。病院で診断書を書いてもらって、保険会社へ治療費用を請求したところ、費用全額を保険でまかなってもらうことができた・・・。請求から振込みまでがあまりに速かったので感動した。役に立つこともあるんだなあ。って、あんまり役に立つような状況に陥らないほうがいいんだけれども。  
 

■タイに、もう一度?

 
   それにしても、バンコクの滞在期間が半日ぐらいしかなくて慌しかったこともあり、もう一度来たいね、なんて話をしていたのに(帰国の日の朝までは)、こんなことになってしまって、もう一度行く勇気が出なくなってしまった。アメリカ旅行中(1992年2月〜3月)の気管支炎など全く比較にならない位に辛かった。そう思うと、タイはもう行くことはないかもしれない。行きたいけど、行きたくない。タイに行った、 もしくはこれから行く、という人の話を聞くと、羨ましくてたまらん。  

 

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